W杯日本代表に10代がいないのは何故?

先日、FIFAワールドカップ2022の日本代表のメンバー発表がありました。

特にサプライズもない、森保監督らしいメンバー構成になったと思います。

日本サッカーに携わるすべての人の代表なので、ここまで積み重ねてきた4年間の集大成が結果として現れることを切に願います。

メンバーに関しては賛否両論ありますが、個人的には少し若手が少ないかなという印象でした。

全体の平均年齢が27.85歳。

最年長選手が川島選手で39歳、最年少選手が久保選手で21歳でした。

日本と同グループのスペインやドイツには10代の選手が数名選出されていることを考えると、もう少し若い世代のサプライズ選出があってもよかったのではないかなとも思いました。

裏を返せば、日本では若い世代の成長というかレベルの底上げが弱いのかもしれません。
 

 
確かに海外で活躍する選手の数は、過去最高に増加してきています。

これは非常に良い傾向にあると思います。

しかし、若手の台頭著しい他国と日本では、なぜ過去の成績やメンバー構成にも差が生じてしまうのでしょうか。

それには様々な理由があると思いますが、一つ大きな要因は育成の段階での指導方法にあるのではないかと考えられます。

日本人選手は、中盤にはヨーロッパでも活躍できる良い選手が育ちやすい一方で、FWやキーパーといった選手のレベルが中々向上していかない。

この傾向は30年以上前から一向に変化がないように思います。

身体能力に秀でないものの、ミスが少なく、テクニックがあり、戦術理解度が高く、計算のできる、ただ可も不可もない選手、いわゆる良くも悪くも、タレント性のない似たような選手が多く育ちます。

言い方を変えると「個性の強い選手が育たない」とも言えます。

こういった選手を中心にチームづくりを行うため、Jリーグや日本代表の試合では試合全体のプレースピードや迫力が欠けています。

似たような選手が多いため、経験のある選手が優遇され、少し年功序列のような組織構造になっているとも感じられます。

その中でも特に、一人で局面を打開できる圧倒的なスピードを持つ選手は全くといって良いほどに育つ土壌がないというのが問題です。

また育成年代でも指導者の戦術や哲学が優先されるため、扱いづらい(扱ったことのない?)身体能力の高い選手はチームから弾かれやすいのが問題かもしれません。

加えて、能力の高い選手は、周りと同じ練習をわざわざ真面目に行う必要がなく、不真面目に映りやすいのも腫れ物にされる要因かもしれません。
 

 
とはいえ、圧倒的な身体能力、特にスピードがあれば年齢も戦術も凌駕します。

2002年の日韓大会で優勝したブラジル代表、前回のロシア大会で優勝したフランス代表なんかはわかりやすい例です。

強豪国には10代がいて、大会では弱小扱いになる日本には10代がいない。

その問題を解決するには、元々スピードのある選手を育てる環境を作るのか、またはスピードを獲得させるようにしないことには、日本サッカーの発展はこれ以上ないと感じます。

日本からも早く若い世代の凄い選手が育ってきてほしいものです。