アジア人は筋肉が付きづらい?

アジア人、いわゆる黄色人種は、他の人種に比べて筋肉が付きづらいとよく言われます。

同じトレーニングをしてるはずなのに筋肉の成長の度合いが違う。

その原因は一体どういうところにあるんでしょうか?

今回はその「違い」について記述していきます。

様々な人種の方達とサッカーやトレーニングを行い、また国内外のジムでトレーニング方法を学び行い、そして現在は運動を指導する立場として現場で得てきた情報をもとにご紹介していきます。

自身のトレーニングをより有益なものにしたい、指導の質を向上させたいという人はぜひ参考にしてみてください。
 

アジア人は筋肉が付きづらい理由

※今回はわかりやすくアジア人を「黄色人種(日本人や韓国人など)」と定義して進めていきます。

なぜ、アジア人は筋肉が付きづらいのか。

また、見た目的にもどうして違いが出てしまうのか。

一般的には、この辺りの違いを議論するのに「トレーニングの質」や「食事の質」などが挙げられますが、SNS や YouTube などでどんな人でもある程度の情報を得ることができる時代なので、しっかりとトレーニングに向き合っている人であればこの辺りに大きな差は出ないと思います。

(トレーニングを継続できないとか、食事の管理についての理由は除外します)

では、一体どんなところで差が生じてしまうのか。

その理由は以下の3つが挙げられます。

  • 人種間の骨格の違い
  • 筋肉の付着部の違い
  • トレーニング効率の違い

これらは別々の理由というよりは、密接に関係しています。

ここではあえて3分割してみました。

一つずつ触れていきます。

人種間の骨格の違い

僕たちアジア人の見慣れている骨格と、黒人や白人、またはハーフの方達と比べるとなんとも言えない骨格の違いを感じます。

手脚が長い、胴が短い、首が長い、胸板が厚い、お尻がプリッとしている、顔が小さいなどなど。

抽象的ではありますが、その違いを感じることは少なからずあると思います。

また、ハリウッド俳優として有名なドウェイン・ジョンソンを見た日には、アジア人ではあり得ないような筋肉の付き方をしているのに驚きを覚える人も多いと思います。

アジア人の中にもドウェイン・ジョンソンと同じくらいトレーニングをしている人はいると思いますが、彼のような筋肉の大きさや見た目のアジア人はほとんど見当たりません。

しかし、海外に目を向けると、彼と同じくらいの筋肉や体の大きさの持ち主は結構います。

なぜここまで違いが生じてしまうのでしょうか。

その理由はその人の持つ先天的な「骨格」に理由があります。

骨格とはそもそも、体を根本から形成する骨組みのことを表します。

その骨格がどのような形をしているのかということが、体の大きさや筋肉の大きさにも多大な影響を与えます。

また骨格というのは、親からの遺伝による影響をもろに受ける為、先天的な要素、つまり才能の一部になります。

よって人それぞれ骨格の形は異なり、それにより体の大きさや筋肉の大きさにも違いが出てくるわけです。

そして、これらは人種間の間でさらに大きく顕著に現れます。

アジア人の骨格は、元を辿ると農耕民族だったという背景からか、重心が低い骨格になりやすい傾向にあるように感じます。

つまり、手脚や首が短く、胴が長く平べったく、腰が後傾するように落ちているような形です。

反対に黒人や白人、ハーフの方達というのはアジア人よりも重心が高い骨格になりやすい傾向にあって、前述した手脚が長い、胴が短い、首が長い、胸板が厚い、お尻がプリッとしているなどはこの理由に当てはまります。

体の根幹にある骨格の構造がそもそも異なる。

その結果、元々の筋肉の大きさも異なる。

これが一つ目の理由です。

筋肉の付着部の違い

続いて、筋肉の付着部の違いですが、前項で述べた骨格(骨組み)がどのようになっているのかで筋肉の付着部が変わります。

(骨同士の距離感や配置が異なると、当然筋肉間の距離にも影響が生じます)

そしてこの筋肉の付着部が異なると、筋肉の起始停止の間隔も異なります。

そうなると、筋肉の伸縮の差にも影響が生じるようになります。

骨格が異なるということは、その上にある筋肉にも大きな影響があるということです。

これが2つ目の理由です。

トレーニング効率の違い

ここまで骨格の違い、筋肉の付着部の違いについて触れました。

それらによりトレーニングを行う際のトレーニング効率にも大きく影響を及ぼします。

例えば、アームカール(上腕二頭筋の筋力トレーニング)を行う際、ダンベルなどを持って腕の曲げ伸ばしを行います。

その際、上腕二頭筋の筋肉の付着部がどのような状態になっているかで、筋肉のストレッチ具合が大きく変わります。

ストレッチの具合が大きい場合と小さい場合とでは筋肉に対しての刺激が変わります。

そうなると、たとえアームカールを同じ重さ、同じ回数を行っても、骨格や筋付着部の状態の違いでトレーニングの効果に雲泥の差が生じてしまうんです。

この差がアジア人と他の人種間では大きく異なるため、アジア人は筋肉をつけるための効率が悪い、すなわち筋肉がつきづらいという結果に繋がると考えられます。

アジア人でも効率よく筋肉をつけるためには

僕自身、異なる様々な人種の方々とともにトレーニングを行ってきたことがありますが、アジア人である日本人の僕がどんなに重たい重量、回数、頻度を行なっても、自重トレーニングのみで、且つそこまで追い込むようなことはしてない黒人のチームメイトの方が筋肉が大きいということはよくある話でした。

当時はその理由は、単純に黒人は筋肉の発達しやすい人種だからという抽象的な概念でしか捉えていませんでした。

しかし、ごく稀ですが日本人の中にも特に何もせずとも(競技の練習だけで)筋肉が発達している人も見たことがありました。

当時はその理由について深掘りができませんでしたが、いろいろと経験してきた今なら、その理由は「骨格にある」とハッキリと断言できます。

ですので、もし効率よく筋肉をつけたいのであれば、筋肉を鍛えることよりもまず先に「筋肉の付きやすい骨格を作る」ということが第一優先順位にくると思います。

(それなりの見た目や質で満足できるのであれば話は別かもしれません)

アジア人でも黒人のような骨格になることは可能です。

なので、筋肉の発達しやすい黒人のような骨格になるように目指す。

女性であれば男性のような骨格を目指す。

それこそが、最も効率の良く筋肉を発達させるためのトレーニングをしていく方法になります。

いかがだったでしょうか?

今回の情報を知っているのといないのとでは、トレーニングの質に大きな影響を与えると思いますので、ぜひ今回の内容を参考に自身のトレーニングや指導に落とし込んでみてください。