ウェイトトレーニングの是非

昨年圧倒的な強さで高校サッカー界をリードした青森山田高校や、J3リーグで躍進的な活躍をしているいわきFCなど、日本サッカー界で注目を集めるチームではウェイトトレーニングをかなり取り入れているというのが話題になっています。

サッカー以外の話でも、ライザップでのダイエットトレーニングではウェイトトレーニングを行なっているということで注目されたり、キレイな筋肉を競う大会が流行したり、健康増進のためのトレーニングの一環として話題となってきています。

こういった影響からかウェイトトレーニングの人気が急上昇したことで、24時間営業の格安ジムが乱立され、パーソナルトレーニングジムも至る所に出来るようになりました。

トレーニング・ダイエット・健康・美容=ウェイトトレーニングみたいなブランディングが昨今確立されたような気がします。

筋トレが世の中に浸透したことで、今やウェイトトレーニングを行なっているということは、一つのステータスにも繋がっているような印象を受けます。

 

 

ちょうど10年前、僕がサッカーで海外リーグにチャレンジしようと思ってオーストラリアに渡った頃の話ですが、シドニー周辺ではすでに24時間営業のジムや格安ジムの多さやトレーニング器具の豊富さに驚きを覚えたことがありました。

というのも、僕自身海外に渡る前に日本の某大手ジムでフリーウェイトや筋トレを指導する仕事についていたため、その環境面の違いを目の当たりにして、まだまだ日本のトレーニングに対する文化や習慣は遅れているなと思ったものです。

当時の僕は筋肉信仰が強く、鋼のような肉体を手に入れて圧倒的なパワーを手に入れたい思いでガンガン筋トレを行っていました。

また、それはサッカーでのパフォーマンスアップにも繋がると確信していて、トレーニングをする筋肉の部位を分けて毎日筋トレをして、最大限の筋力・筋肉量アップを狙って栄養に関しても漏れのないように完璧に行っていました。

その結果、22歳の時にはすでにベンチプレスで130kg、スクワット・デッドリフトでも180kgオーバーを挙げることができていました。

いわゆるビッグ3(ベンチプレス、スクワット、デッドリフトの総称)の総重量は約500kgに達していたので、かなり筋トレをやりこんでいたのがわかると思います。

このレベルになると、サッカー選手で同レベルの挙上量の人はほとんどいなくなり、筋肉に関しての自分自身の自尊心もかなり高く、どんな体つきの外国人がぶつかりに来てもまず負けないなという感覚でした。

しかし、オーストラリアで所属していたチームの練習で、当時の僕よりも身長も体のサイズも小さな黒人選手と五分五分のボールを取り合った際に体をぶつけると、思いっきり吹き飛ばされたことがありました。

その選手は筋トレとは無縁の選手で、筋肉もお世辞にもついているようには見えない選手でした。

あまりにも衝撃的な経験だったので、この経験が後の僕自身のトレーニングに関しての概念を大きく変えるきっかけになりました。

 

 

僕を吹き飛ばした黒人選手は筋肉は無いものの、圧倒的なスピードを兼ね備えていて、一人で試合を決めてしまう能力もありました。

結果的にその選手は、Aリーグ(オーストラリア1部)の優勝チームの顔になり、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)でも優勝を経験していました。

それまでの僕は、筋肉=パワー、筋肉=パフォーマンスと思っていて、いかに筋肉が優れているかが選手のクオリティを決めるものだと思っていました。

そしてこの経験を機に、僕のトレーニングに対しての考えは一変し、通っていたジムを退会して、それ以降は自重負荷での筋トレ以外は行わないようになりました。

それからも様々な経験や勉強を経て、今でこそ、パワーやスピード、パフォーマンスというのは=重心や骨格で決まることが分かりましたが、当時のその経験が本当に貴重な経験になったと思っています。

また、ダイエット・健康・美容という点においてもウェイトトレーニングは効率的な効果を生まないということもわかりました。

確かに筋骨隆々とした引き締まった体はカッコ良く見えますし、トレーニングによる爽快感などを得られるため必要ないとまでは言いません。

一長一短ですね。

ただ、本当に得たい未来は何なのか考えた時に、ウェイトトレーニングでたどり着けるものなのかどうか深く考える必要はあると思います。

 

 

最後に異次元に凄かったサッカー選手たちの画像です。

ウェイトトレーニングなんてしてませんね!笑