睡眠と自律神経

寝不足や睡眠の質が低いとお悩みの方は非常に多いですよね。

忙しい人ほど寝不足かと言われるとそうではなくて、時間を持て余している人の中でも睡眠の質が悪く寝不足であると感じている人は結構います。

厚労省の発表(2020)によると、30代〜50代の男女の約半数は、平均睡眠時間が6時間に達していないそうです。

また、それによる経済損出は年間で15兆円にもなるそうです。(アメリカのシンクタンクが算出)

寝不足で15兆円?!

と思う人は多いと思いますが、効果的な睡眠を取れていない場合、日中の活動パフォーマンスが大幅に落ちてしまうので、一人の損出ではなく全体の損出というと少し納得できる数字でもあります。

要は、それほどまでに睡眠というのは非常に大切ということです。

どうすれば良質な睡眠をとることが出来るようになるのか気になりますよね。

手っ取り早い方法として挙げられるのが「自律神経の働きを正す」ということです。

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の二つのバランスで保たれていて、これらの相互関係により日中活動的に動けたり、ぐっすりとリラックスして休むことができたりします。

またこの自律神経というのは自分でコントロールすることができない為、無意識下で自動的にコントロールされます。

なので交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうとそれを整えるために意識的に何かしようとしてもどうにか出来る問題ではないんです。

 

 

自律神経の主な働きとしては、体をアクティブにして心身ともに興奮状態にする交感神経と、興奮状態にブレーキをかけて体をリラックスさせる副交感神経の二つの働きがあります。

このように、体にとって正反対の働きを持つ2つの神経が交互にバランスよく働くことによって、活動したい時には活動し、休みたい時には休むというメリハリを作ることができます。

しかし、睡眠の質が低い人は、交感神経の働きが優位になり過ぎたり、副交感神経が優位になり過ぎたりと、2つのバランスの均衡を正常に保つことができなくなります。

(通常は日中に交感神経が優位になり、夜は副交感神経が優位になります)

不規則な生活が続いていたり、仕事や人間関係のストレスなどにより自律神経のバランスが乱れがちの現代人ですが、睡眠の質を向上させるためには、この自律神経のバランスを正常にするということは必要不可欠です。

 

 

僕の肌感にはなりますが、世の中にはストレス過多による交感神経が優位になっている人が非常に多いという印象を受けます。

一度崩れた自律神経のバランスを再度正常に保つためには、体に対して刺激を入れる必要があります。

そこでお薦めするのは「深呼吸」です。

深呼吸を行うと、緊張していた血管が緩み、血流が促進され身体中に酸素が巡るということにもメリットがあります。

また、深呼吸により内臓が動きその周りの神経やリンパにも刺激が入ることにより副交感神経の働きも促進されます。

それにより、交感神経が優位になっていた状態からバランスが正常に整いやすくなります。

あくまでも改善策の一つになりますが、やらないよりはやったほうがかなりメリットがあるので是非試してみてください。