ダイエットやファッション、医療の現場やスポーツのシーンにおいて様々なところで「正しい姿勢」について指導者から指摘を受けることがあると思います。
例えば、立っている姿勢では、「背筋はピンと伸ばす」「猫背は印象が悪い」「腰が入りすぎて良くない」とか、
動いている状態では、「腰を落とす」「膝を高く上げる」「胸を張る」など、
様々な場面で様々な指摘をされることがあります。
果たして、その姿勢というのは本当に正しいものなのでしょうか?
僕が高校生の頃、友人にオリンピック代表候補に選ばれている同級生がいました。
その友人は、フィジカルトレーナーの指導で「天井から頭を引っ張られているような感じで背筋を張るように正しい姿勢で生活するように(ランウェイを歩くモデルのようなイメージ)」と指導されていたそうです。
その目的は、サッカーのプレー中に視野をしっかり確保できるようにという意図があったからのようでした。
その話を聞いた僕は「なるほど、それでパフォーマンスが上がるなら取り入れてみよう」と思い、何の疑いもなくその姿勢を意識するようになりました。
しかし、残念ながらそれによって何が良くなったのか全く分からず、どちらかというとそれを意識しすぎて普段から力みやすくなり、動きが硬くなったような感じになったのを覚えています。
そもそも、小学生の時?もっと前から習う「気をつけの姿勢」がありますが、何も疑うことがなければこの気をつけの姿勢が正しい姿勢と認識している人は多いのではないでしょうか?
それに対して間違いを指摘するということはしませんが、「健康になりたい」「運動のパフォーマンスを上げたい」「キレイに見られたい」という観点からは少しズレているかも知れませんね。
ただ、姿勢のことであまりにも誤ったことを指導された場合、かえって逆効果を生じさせることもよくある話しなので、リスク回避のためにある程度の知識を身につけておくことは必要かも知れません。
「健康美」という言葉が表すように、人は健康的な体を見ると、カッコイイ・綺麗という印象を無意識的に抱くそうです。
スポーツシーンでも、自然体で思わず「美しい!」と思ってしまう骨格を持っている人がいます。
そういう人の多くは、競技でもとてつもない結果を出しているということは往々にしてあります。
日本人で言うと、野球の大谷翔平選手なんかはわかりやすいのではないでしょうか。
この、「健康美(健康的な体や美しい体)」というのを=「正しい姿勢」として定義すると、これまで見えなかったものが見えてくるようになります。
上の画像のように、人間の体の中心には背骨が通っています。
この背骨の形状や状態がどのようになっているかで、その人の自然体での姿勢が決まってきます。
また人に与える印象や代謝効率、神経系の働きや健康面において、またスポーツでのパフォーマンスにも大きな影響を与えます。
この背骨の形状や状態は、それ以外にも本当に多くの影響をもたらす為、非常に重要な部位であることがわかります。
そしてこの背骨は横から見た時に、生理湾曲(S字カーブ)をしていて、このカーブがきちんと構成されているかどうかで、体のコンディションが大きく変わってきます。
体の不調や不具合(頭痛、肩こり、腰痛、精神不安定など)を訴えるような人は、この生理湾曲がきちんと構成されていないパターンが多いです。
「生理湾曲がきちんと構成されていない」=「健康的ではない」とも言い換えることができるかも知れません。
正しい姿勢とは何なのか。
その答えは、意識的に何かに力が入るように立ったり動いたりするのではなく、
「骨格そのものがどういう形状や状態なのか」
ということが非常に大事になってくるということです。
骨格そのものは、生まれ持った遺伝子によってほとんどを構成されてしまいます。
先天的に運動をしやすい体をしている人もいれば、そうじゃない人もいます。
また、もともと健康的な体の人もいれば、病気や怪我などをしやすい体の人もいます。
それらを後天的に変えたり改善したりする為には、意識的にどこかの部位に力を入れて姿勢を変えたりするのではなく、根本的な構造から改善していかなくてはなりません。
逆にいうと、根本的な構造から改善することができれば、たくさんの良いことが起き始めるということです。
こういったことが少しずつ正しく認知されるようになってくるといいなと思います。